ふたり暮らしコミュニティ 管理人のあおぱかです。
【子なしさんに聞いてきた】
今回、お話をお伺いしたYさんはやりがいのある仕事を頑張りたい、また将来への不安などを理由に子供を望まない選択をされました。
一方で、パートナーの方は子供が欲しい、、、そんな子供に対する考え方の違いに悩まれたYさんの思いや決断をご紹介させていただきます。
夫と、子供への考え方のズレに悩んだYさんのお話
私と夫は共通の趣味を通じて出会い、数年の交際を経て結婚しました。
結婚当初はお互いに子どもを望んでいたし、両家の親も孫を楽しみにしていました。
20代後半で結婚したこともあり、私の友人たちには出産や育児に奮闘している人が多かったです。
なので、私も漠然と「子どもを出産して家族が増えていくのかな」と、思っていました。
ただ、仕事にやりがいを感じていたこともあり急いで子供を望んではいませんでした。
一方で夫は元々、子どもたちにスポーツを教える仕事をしていたこともあり、「子どもが好きだから、早く欲しい」とよく話していました。
夫は、子どもがいたらもっと生活が楽しくなるだろうし、仕事にもやる気が出て、毎日のモチベーションが上がるからと、ある年齢までには父親になりたいと考えていたようでした。
そんな彼の姿に、私は悩むようになりました。
子どもが好きで女の子が欲しいと楽しそうに話す夫のことがちょっとずつプレッシャーになり始めていたのです。
夫以外にも自分の親や義家族からも「孫は早いほうがいいよ」「おじいちゃんやおばあちゃんは何でも手伝うからね」と期待されることもあり、本人たちに悪気がないことは分かっていても、さらにプレッシャーになっていきました。
いつの間にか、私は子どもが欲しいというより、子どもを産まなきゃいけないのかなと感じ始め、子どもへの思いは自分の希望というより義務感になってきてしまいました。
私は母を早くに亡くしていたこともあり、出産や育児に関して相談できる家族は父しかいません。
父とはこまめにやり取りもしており疎遠ではありませんでしたが、出産や子育てについてはやはり同じ女性である母に聞いたり、相談したりしたかったです。
そういった事情や、周囲の言葉がプレッシャーになり、子どもを授かることは私にとって不安のほうが大きいことでした。
また、結婚生活が順調、と言えなかったことも子どもを持つことに消極的になってしまった理由かもしれません。
夫は家事が苦手で共働きにも関わらず家事の大半を私が行っている状態でした。
何度か家事を教えたりしてみても、夫が自発的に家事を行うことはなく、妊娠や出産後の生活を考えたときに夫と協力し合えるイメージができず、日々不満に思うことが多かったです。
共働きなのに、と何度も思ったし、そんな状況で「子どもができたらイクメンになる」と話す夫を見て私は「この人は自分の子どもをちゃんと愛して育ててくれるのだろうか、家事は手伝ってくれるんだろうか」という不信感も芽生え始めました。
夫が子どもが出来て変わるとは思えなかったし、今できないことをいきなりできるようになるとも正直思えませんでした。
自分のことも満足にできない人がどうやってたくさん手が掛かる子どもを育てようというのか、そう考えるようになりました。
そんな日々を過ごすうちに、より私は子どもを授かることに対して後ろ向きになっていきました。
さらに問題だったのは、夫よりも私の年収が高かったことです。
「もし私が産休・育休を取ったときに夫の収入だけで家族3人を支えられるのか」
今思えば、この”お金の不安”が私にとっては1番の気がかりだったのかもしれません。
最初にも話したように、仕事にやりがいを感じており、産休・育休で長期間仕事を休むことが自分の中では正直耐え難かったです。
なるべく仕事をしたいと思っていたし、収入を増やさないと子どもを育てられるとは簡単に言えません。
私がざっくりと子どもの教育費や、自分が休むとどのくらい収入が減るのかを計算して、「今の二人の状況で子どもを望んでも経済的にかなり厳しい、子どもを育てるのであれば一馬力で家庭を支えられるぐらいじゃないと厳しいと思うよ」と夫に伝えたこともあります。
夫は「そんなことはなんとかなる」と私の不安があまり伝わっていないようでした。
私の周りには高額な不妊治療を受けている人もいました。
もしすぐに子どもが授かれず、不妊治療をすることになれば、二人の収入では長く続く治療費用を賄えないことは分かっていました。
自然妊娠ができないとなったとき、そんな高額な不妊治療を受けてまで、必ず子どもを望みたいとも思えません。
子どもを望むという割にはそういった具体的なことをあまり考えていない夫に私はさらに不信感が募り「勝手に育つわけじゃないんだから、親になる私達だけが欲しいという気持ちだけじゃ育てられない」と強い口調になることもありました。
そんな私に夫は「そんな事を言うのは、本当は子どもが欲しくないからじゃないか。子どもが欲しくないなら、欲しくないとはっきり言ってほしい」と言いました。
この時、お互いの子どもに対する気持ちが全く違うんだ、と分かりました。
私は子どもがいなくても、夫婦二人でいろんなことをして過ごしていいと考えていました。
しかし、夫はそうではありませんでした。
「子どもができる可能性があるなら逃げずに何でもやるべきだ」と話す夫は、実際にかかるお金に関しては、どうにかなるとしか言ってはくれませんでした。
子どもへの考え方の差がずっと埋まらないままでは良くないと考えた私は改めて話し合いの場を作って、自分の気持ちや夫婦の現状を考えた上で子どもを育てることがいかに難しいかを夫に伝えました。
「子どもが欲しくないわけではない。ただ、ちゃんと責任をもって育てたいからこの経済状況では簡単に子どもが欲しいと思えない。まして不妊治療とかも考えられない。子どもはできたら終わりではなくそこから20年近く育てなくちゃいけない。だから、まずは目の前の問題をなんとかしないと、子どもを望むべきではない。」
夫は「わかった」と言ってくれましたが「じゃあ、いつになればタイミングがいいと言えるの、君より稼ぐようにならないと子どもは望んじゃいけないの」とやはり納得しきれていない様子でした。
この話し合いを境に夫から「子どもが欲しい」という言葉は頻繁には出なくなりましたが、このぎくしゃくした夫婦関係をそのままにしたことが結婚生活に歪みを作ってしまったのでしょう。
子どもを望まない選択をした後も、私と夫の周りでは出産が続き、お祝いをしたり、写真を見せてもらったりする機会が増えました。
私は素直に祝福できていたと思います。でも、夫はそうではなかったのかもしれません。
「やっぱり自分の子どもが欲しい。君が積極的でないことは分かっているから、お互いに別々の道を歩む方が良いと思う。」
夫の子どもへの気持ちは、あの話し合いだけで解消できていないことを薄々感じていたので、私は驚きもしませんでした。
まだお互いに子どもは望める年齢であったし、夫の希望を叶えられないなら、別々の人生を選ぶ決断をするしかないと私も了承しました。
子どものことだけが原因ではなかったけれど、子どもを望まない選択をした私とそれを納得しきれていなかった夫とのズレは話し合いだけで埋めることはできませんでした。
私自身は子どもを望まない選択をしたことを後悔していません。
ただ、子どもを望まないことは周囲の理解はもちろん、なによりもパートナーの理解が必要なんだと思い知りました。
子どもを育てることは勢いでどうにかなるものではなく、親になった瞬間から責任が伴い、人生も大きく変わります。
もし、いつか違う相手と再婚したとしても、この時と同じ状況であったなら、私の子どもを望まない気持ちは変わりません。
もちろん、私の選択が正しいとは限りません。子どもを望まないことが私に合っていただけです。
なによりも夫婦でお互いの考えや価値観をしっかり話し合い、答えをみつけることが大切だと思います。
おわりに
今回は、パートナーと子育てに対する考え方が合わずに、最終的には離婚という決断をされたYさんのお話をご紹介しました。
夫婦の形はそれぞれで何が正解かは判断できませんが、私個人としてはYさんの考え方に共感してしまいます。
もし、パートナーに言われるがまま無理に子供を生んでいたら、後悔の日々を過ごすことになっていたかもしれません。
今回、Yさんからお話をお伺いして、自分らしくいるために前向きに『離婚』を選ぶ。そんな選択肢もあるんだと、気づかせて頂きました。
当ブログでは、他にも【子なしさん】の体験談をご紹介しています。よろしければ、読んでみてください。
コメント